2013/01/30

ネットで相場操縦容疑


最近「日々のニュースにまつわる法律関係を簡単に解説して」と友人から言われました。そこで,目についた事件の法律がどうなっているのか,すこし書いてみます。

今回はこの事件(判決が出るまで無罪推定が日本の良識です。あくまでかかっている容疑についての説明ですので悪しからず)。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-130128X734.html
http://www.asahi.com/national/update/0128/TKY201301280089.html

金融商品取引法158条は,偽装取引(1項)と現実取引による相場操縦(2項)を禁止しています。

いずれも,懲役や罰金などの刑事罰(10年以下の懲役もしくは1000(3000)万円以下の罰金、または併科),没収の罰則,差止請求,業者に対する行政罰があります。

記事のうち,同時期に同価格で売りと買いの注文を出す「仮装売買」は,偽装取引の一種です。

正確には,自分が売りと買いの二役するものが「仮装売買」,他人と示し合わせて売りと買いに別れて行うのが「馴合売買」として区別されています。

直前の取引より高値での売買を次々に行う「買い上がり」と,買うつもりがないのに高値で買い注文を出し値上がりしたら注文を取り消す「見せ玉(ぎょく)」は,相場操縦の一種です。

 実際に売買するかしないかのちがいです。

相場操縦違反には,上記の罰則の他,さらに課徴金が課されることもあります。

今までの同種事例では,2年~数ヶ月の懲役(執行猶予付),罰金などの結論になっています。